Interviewing and writing : C.E Shinji Katagir
らじつう編集部がメーカーさんに直接質問を投げかける
「らじつう編集部がメーカーさんに聞いてみた」
注目の製品についてメーカー担当者に直接、ウェブサイトの商品説明よりも
深堀した内容をらじつう編集部が聞いていきます!
今回は番外編として第62回全日本模型ホビーショーの取材中にお伺いした、注目度が高いタミヤ ホーネットEVO.について、タミヤ開発担当の方に伺ったお話を切り出してお伝えいたします。
ホーネットが誕生して40周年を記念して登場した「メーカー公式4輪独立サスペンション化されたホーネット」ことホーネットEVO.誕生の経緯や拘りのポイントなど、らじつう編集部が聞いてみました!
※取材の中で伺った様々なお話の中から、ホーネットEVO.に関する部分だけを会話形式にて編集部がまとめた形でお届けいたします。実際にお話いただいた方の発言そのままではありませんことをご注意ください。
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今回お話を伺ったのは?:
第62回全日本模型ホビーショー タミヤブース タミヤ開発担当者様
らじつう編集部がメーカーさんに聞いてみた!
番外編「タミヤ ホーネットEVO.」
ホーネットEVO.について色々教えていただけたらと考えております。よろしくお願いします。さて、ホーネット40周年を記念してある意味で当時の少年達の夢だった「4輪独立サスペンションのホーネット」がなんとタミヤから登場することになったということですが、開発の経緯を教えていただけますか?
はい。よろしくお願いします。グラスホッパーとホーネットが40周年ということでなにか記念になるものはできないか?と社内で検討していたのですが、本当にグラスホッパーもホーネットも多くのユーザーに愛されてきた製品となり、一度生産が途絶えたことはありますが復刻後も変わらず多くのユーザーに楽しんでいただけており、そんな中でもまさに当時の子供達の夢であった4輪独立サスペンション化キットなどをサードパーティーであったり、ユーザー発信で生み出されているのを見てきまして、だったらタミヤ公式でやってしまおうか!というようなノリで今回のホーネットEVO.の企画がスタートいたしました。
なんと!?ユーザーサイドからの4輪独立サスペンション化がきっかけだったとはとても驚きました!だからあくまでホーネットの原型を変えずに4輪独立サスペンション化されたということなのです。ちなみにこのEVO.発売により無印のホーネットはどうなるのでしょうか?
その点は多くのユーザーが気にしていることは認識しており、結論から言えば併売となります。ホーネットEVO.も限定品ではありませんので通常型番での発売となります。ですので、制約事項として「ホーネットが成立しなくなる金型の修正はNG」という大前提があり、その枠組みの中で今回のホーネットEVO.は設計されているのです。
併売ということで安心されたユーザーさんも多いでしょうが、それだけの制約がある中でこれだけの完成度になったいうのはさすがタミヤだなと感じるところです!ちなみにホーネットが成立するレベルでは金型を変更されたともとれますが、メインシャーシはギアボックスも変更されたり、リアはダンパー取り付け位置も変更になっているように見えますが、どこが修正されたポイントなのでしょうか?
先ほどお話したとおり、「ホーネットの生産に影響が出ないようにする」が大前提なので実はメインシャーシはほんの数か所しか変更していません。どこかわかりますか?
ん~~~、フロントに穴が増えているようには見えますが、他はほとんど違いが判りません💦
あっ、それは正解です!ちなみにその近く、フロントのダンパステーの根元を強化したというのが実は少ない修正ポイントだったりします。これは、元々の構造だとフロントから力がかかると折れやすいという欠点があったため、今回新規パーツ取り付けのために穴だけはあけないといけなかったのでそれであればついでに強化してしまおう!ということでここだけ金型を修正しました。なお、この新メインシャーシは次回以降の生産の無印ホーネットにも同梱されます。無印のホーネットにとってはこの穴自体なににも干渉しませんし、結果強化シャーシになるということで唯一ここだけ修正されたというのが答えです。ちなみにそれ以外はまるっきりそのままなんですよ。
なんと!!!!本当にこの数か所の変更だけで今回の4輪独立サスペンション化が実現したのですね!ということは、このメインシャーシに新規のフロントサスペンションやリアのギアボックスやサスペンションなどを取り付けるための新規パーツが開発されて実現したという解釈で間違いないでしょうか?
まさにその通りです。今回耐久性や汎用性を鑑みてDT-02用のギアボックスを採用し、前後のロアサスアームは新規に作っています。また、フロントサスアームの取り付け分を追加するのであればと、無印のホーネットでは直結だったステアリング部分もいまどきのロッカー式に変更してロアサスアームとステアリングシステムが一体となってシャーシに取り付ける構造となっています。リアについても無印のホーネットのリジットを支える部分に追加パーツをつけることでその後ろにくるギアボックスをうまくフィットさせる構造にしたのですが、この影響でどうしてもメインシャーシからギアボックスまでの間に空きができてしまったのは致し方ないところであり、とはいってもここにモーターが入るほどの隙間ではないのと、そもそもホイールベースを同じにしたかったのであえてここの空間はそのままとして設計してます。
改めてみると、もともとそうだったかのようにフィットしているなぁと見入ってしまいます。また、メインシャーシが同じだからこそよくよく見ると不思議な空間が生まれたことも改めて気が付きました。なお、フロントロアサスアームはガルウイングタイプになっていますが、これはストロークの確保の為でしょうか?
はい。フロントがもともとのダンパステーの制約があり、更にそこにオイルダンパーを取り付けるということで、そのままではストロークがやはりつらいなぁということで、ガルウィングタイプとしてストロークを稼ぐことでフロントのグリップを確保する方向で設計しています。
ちなみに今後生産される無印のホーネットに今回の追加樹脂パーツやDT-02のギアボックスなどをそろえていくと”自分でEVO.化”というのは可能なのでしょうか?
理屈の上では可能ですが、オイルダンパーもセットで手に入るわけではないので、コスト的にもあまりオススメはしませんが、やろうと思えば実行可能ではあります。
まぁ、それはそうですよね。ちなみにこちらにオプションパーツ搭載例がありますが、オイルダンパーセットであったり、ホーネットEVO.専用という形で発売されていくのでしょうか?
いえ、あくまでホーネットの走行性能を現代化したという車なので、ミドルクラスやハイエンドのようなカスタマイズを想定していないというのが正直なところです。ですが、既存のアフターパーツを組み合わせたり、標準搭載部品を流用してもらったりすればアルミダンパーを搭載することもできますし、サスストロークを確保したりすることもできます。あちこちを青くすることももちろん可能ですので、そこはユーザーが好きな形で楽しんでいただけたらなと考えております。
なるほど。そういう意味でも正しくホーネットの進化版ということですね!ホーネットEVO.について色々と聞かせていただきありがとうございました!最後になぜグラスホッパーEVO.ではなかったかだけお聞かせいただきますか?
これはほんと単純にボディの問題です。ホーネットはポリカーボネート製ボディなので、今回カットラインを追加することで旧ホーネットとEVO.を両立することができたのですが、グラスホッパーは樹脂ボディになるので、今回のギアボックスを搭載しようとするとどうしてもボディをカットしないと搭載できないんです。そうなると無印のグラスホッパーに影響がでてしまうのでホーネットのみがEVO.として登場したという背景になります。
なるほど、ホーネットがポリカーボネート製ボディであったことも功を奏したというわけですね。色々と教えていただきありがとうございました!
編集後記
今回は第62回全日本模型ホビーショーのタミヤブースで伺ったお話の中から、ホーネットEVO.の部分だけを切り出してお伝えいたしました。誕生の経緯や特徴などを色々伺うことができました。
グラスホッパーEVO.がでていない理由も最後に伺いましたが、担当の方曰く、ボディを豪快にカットすれば載せるれなくはないのでユーザーさんの楽しみとしてトライされる分にはよいのではないでしょうか?ともコメントいただいております。これからの名車ホーネットも併売されるということもあり、タミヤ公式四輪独立サスペンション化であるEVO.ともども多くのユーザーに楽しんでいただけることを願うばかりです。
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