【連載】RD2 magazine編集部がメーカーさんに聞いてみた・ホビーショー番外編「タミヤ TA08R」

【連載】RD2 magazine編集部がメーカーさんに聞いてみた・ホビーショー番外編「タミヤ TA08R」

Interviewing and writing : C.E Shinji Katagir

 

 RD2 magazine編集部がメーカーさんに直接質問を投げかける

 「RD2 magazine編集部がメーカーさんに聞いてみた」

 注目の製品についてメーカー担当者に直接、ウェブサイトの商品説明よりも深堀した内容をRD2 magazine編集部が聞いていきます!

 今回は番外編として第61回全日本模型ホビーショーの取材中にお伺いした、注目度が高いタミヤ TA08Rについて、タミヤ開発担当の方に伺ったお話を切り出してお伝えいたします。


 事前のリストになく、直前のタミヤRCライブで実車が発表されたTA08Rについて、注目のアッパーデッキ採用の経緯などより細かにRD2 magazine編集部が聞いてみました!

※取材の中で伺った様々なお話の中から、TA08Rに関する部分だけを会話形式にて編集部がまとめた形でお届けいたします。実際にお話いただいた方の発言そのままではありませんことをご注意ください。

今回お話を伺ったのは?:

第61回 タミヤブース タミヤ開発担当者様


RD2 magazine編集部がメーカーさんに聞いてみた!

番外編「タミヤ TA08R」

今回突如発表されたTA08Rですが、どういう経緯で今回のホビーショーでの展示となったのでしょうか?

様々検討していた中で、ここのところ海外での先行発表が多いというユーザーからの意見がありまして、今回はいち早く国内でお披露目できればと急遽展示いたしました。

なるほど。確かにBBXも海外での先行展示でしたからね。それに実車をとても多くの方がご覧になっているところからも注目度の高さが伺えますが、とてもチャレンジングなツーリングカーとして登場したTA08PROがRになるにあたり、どのようなコンセプトで開発されたのでしょうか?

我々としても様々な工夫と想いを込めて送り出したTA08RPOでしたが、とても多くのお客様に手に取っていただけました。タミヤのレースイベントでも多く方に使用いただけておりまして、様々な場面で使用されるユーザーの感想や要望を多く聞くことができました。それらのご要望も参考にしつつ、発売以来開発してきたアフターパーツも多くなってきましたので、ここらでRとしてまとめることにいたしました。

なるほど。発売当初とても大きな話題になったことを記憶しております。なお、RD2 magazine編集部でも愛用している部員が多くおります!たしかに多くのアフターパーツが発売されておりますし、時期的にもそろそろRが登場か!?というユーザーの声が多いところでの登場となりましたが、やはり一番の注目は登場時搭載していなかったアッパーデッキの追加ですが、元々省いたものをRで追加した経緯を教えていただけますでしょうか?

本日も多くの方に「ついにアッパーデッキ搭載ですね!」と言われるのですが、改めてとなりますがTA08PROがなぜアッパーデッキがなかった?というお話を少しさせていただければと。TA08PRO開発時に様々なトライをした中で、シャーシがねじれるという現象を走りの中で活かしていくというものがありました。ハイエンドモデルではないので、経験の浅い方からベテランの方まで幅広い方が手に取るマシンであり、気持ちよく安心した運転できる車を実現するために、ハイエンドモデルになるほど硬めていくシャーシを、あえてねじるという方向で設計いたしました。シャーシがねじれることでタイヤがしっかり接地でき、それにより前に出る力が生まれる、そういう特性にするべくシャーシの硬さやアッパーデッキの有無含めて多くのテストをした結果、現在のTA08PROのシャーシが完成し、ねじれをうまく使うためにアッパーデッキを搭載しなかったというのがそもそものお話になります。

なるほど、あえてねじれさせることで走行性能をあげるというトライがTA08PROだったのですね。ちなみにSNSなどで現状のTA08PROのシャーシが形状変更され、一度強化されているという話が流れておりますがこれは本当なのでしょうか?

この件についてはハッキリと否定させていただきます。確かに一度生産の都合で金型に一部変更を加えた為、形状が変わっているのは事実です。しかし、樹脂の材質は全く同一ですので、生産時期によってシャーシが硬くなっていることはありません。

なるほど。それほど現状TA08PROのシャーシの硬さというのは様々なトライの末にたどり着いたものなのですね。

はい。実際もっと柔らくも硬くもできます。開発途中では様々なパターンを試作してテストしましたが、現在の柔らかさが一番と判断いたしましたので、今回のRでもシャーシの樹脂は変更されていません。

Rでも同じ素材なのですね!先ほど実車を見せていただい時に少しだけ形状が変更された箇所があると伺いましたが、これはどのような理由でしょうか?

今回の形状変更は主にクラッシュ時の破損対策ですね。これも多くのユーザーフィードバックをいただく中で多かった部分へのダメージを軽減するよう少しだけ形状を変更しました。

クラッシュ時の破損が少しでも軽減されるのはとても嬉しい変更ですね!では、本題のアッパーデッキの搭載について教えてください。

ここまでお話したとおり、シャーシをねじることが前提になっているシャーシですので当初アッパーデッキを省いたのは先ほどお話したとおりですが、発売後に購入者からアッパーデッキが欲しい!という要望が多かったことも事実です。今回、ここまで作ってきたオプションパーツを全て搭載するという企画になっておりましたので、要望が多いこともありますし、シャーシのねじれを調整できるようなアッパーデッキであれば搭載してもよいのでは?と検討に検討を重ねまして、Rの最後の追加パーツとしてアッパーデッキ搭載を決定しました。

なるほど、シャーシを硬くするという目的ではなく、ねじれる量を調整するスタビライザーのようなイメージということですかね?

そうですね。ですので、細くしなやかな形状に設計しております。アッパーデッキの取り付け方やビスの締め方などでねじれを調整できるというイメージですね。なお、これに合わせて前後のバルクヘッドカバーを変更することになったのですが、サスペンションの軸となるピボット部分の取り付けをしっかりさせる意味もこめて樹脂製から金属製に変更いたしました。

ということは、アッパーデッキを外した形での走行というもの可能ということでしょうか?

はい。それは手に取っていただいた方が感じたフィーリングによって外していただいてもよいと考えています。

ここまで一番の注目ポイントであるアッパーデッキについてお伺いしてまいりましたが、このRとノーマルのPROそれぞれはどんな位置づけのマシンと考えるのがよいでしょうか?

あくまで開発側のイメージではありますが、まず基準となるのはTA08PROです。走らせやすさとよく走るという走行性能のバランスは今でも素晴らしいと考えておりますので、ミドルクラスのツーリングカーが初めてという方はノーマルモデルを選択いただくのがよいと考えています。逆にすでに多くの経験があり、レースも多く出場されている方にはRをオススメします。とにかく現時点で考えられるだけのオプションパーツが搭載されていますので、そのままレースに持っていけるモデルだと考えております。

ツーリングカーの経験が少ない方やTT02からのステップアップの方はノーマル、ベテランの方はRという選択がよいようですね。

そうですね。ノーマルもRもどちらもよく走るよい車です!オプションパーツ満載というとRが良いようにも聞こえますが、価格差がそれなりになるはずなので状況に合わせてお選びください。

ここまで色々とお話いただきありがとうございました。TA08Rの発売楽しみにしております!
ありがとうございました!

編集後記

 今回は第61回全日本模型ホビーショーのタミヤブースで伺ったお話の中から、TA08Rの部分だけを切り出してお伝えいたしました。そもそものTA08PROのコンセプトのお話や今回のRを作っていく中での苦労など、貴重なお話をお伺いすることができました。

 そもそもなぜアッパーデッキがなかったのか?今回なぜアッパーデッキを追加したのか?様々なところで語られている内容と少々違った内容となっておりますが、タミヤの開発担当の方の生の声としてお伝えできればと考えて、番外編として切り出すことにいたしました。TA08PROやTA08Rの購入の参考になれば幸いです。


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