2022年10月に発売された3Racingが送り出した新世代ハイエンドツーリングカー「CERO ULTRA TOURING CAR」。コストパフォーマンスに定評があるモデルを送り出している香港を拠点としたR/Cメーカーである3Racingがこれからの10年を見据えて、いままでのコンセプトをイチから見直し、競技シーンでも他社に見劣りしない性能で話題となりました。そんな3racingが2023年「CERO ULTRA TOURING CAR」をベースに、各部の素材の見直しを行い、低価格で発売したのが新型ツーリングカー「CERO SPORT」。
3Racingの新世代モデルのフラッグシップのポテンシャルを継承しながら、入門車両と変わらない低価格で登場し、発売以来大人気となっているこのマシンの組み立てレポートを行ってまいります。どんな構造になっているのか?どんなポテンシャルを秘めているのか?また、完成後には「CERO ULTRA TOURING CAR」との比較も行います!どうぞお楽しみに!!
※本レポートでは、3Racing社より提供されたキットを使用していますが、オフィシャルオンラインショップ「WarehouseSTORE RD2」で販売しているものと同一となります。
3Racing 1/10 CERO SPORT TOURINGCAR【KIT-CEROSPORT 】
※モーター位置が後方配置となるベルト長が6:4と5:5の2モデルとなります。
14,025円 ※15%OFF
https://warehousestore-rd2.stores.jp/items/644b5d72dbaefd002c94a604
3Racingキットの組み立てに最適なRD2オリジナルHEX(六角)レンチドライバーセット!!
RD2 – オリジナル HEX(六角)レンチドライバーセット(1.5/2.0/2.5/3.0)【エンドキャップ付】
3,750円
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なお、今回の組み立てレポートではINFINITY製のレンチドライバーを使用します。このドライバーですがグッと力を入れるときと、少し力を抜くような締め方をする際の使い分けが非常にしやすすく、またビットは開封直後からヘックス穴にビシッと収まる高精度になっています。INFINITYらしい黒と赤の配色の見た目もよく、とてもオススメのツールとなります。なお、エンドキャップは別売となります。RD2 magazineオフィシャルオンラインストア「WarehouseSTORE RD2」でも販売中です。
■INFINITY オリジナルツール – レンチ
¥2,717 〜 ¥3,135(税込)
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■INFINITY オリジナルツール – レンチエンドキャップ
¥732(税込)
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今回はパーツバッグ5パートを進めていきます。ここでは前後サスペンションのアッパーアームと前後ナックルの組み立てを行ってまいります。なお、セロユニバーサルスイングシャフトは組み立て済みとなっておりますが、付属の説明とは別に公式ウェブサイトで修正版の説明書が公開されています。一度ユニバーサルスイングシャフトを分解し再組立てを行うよう指示されています。この部分は途中でご説明します。
最初のセクションはフロントとリアのアッパーアームの組み立てを行います。ここ数年流行となっているアッパーAアーム型はハイエンドのCERO Ultraと同様です。少々組立てにコツが必要ですが慎重に作業すれば問題なく組立てられるよう案内されていますので説明書をよく確認して作業を進めましょう。作業は前後左右同じです。
このセクションでは付属のターンバックルレンチを使用します。とてもよくできた工具ですので必ず使用しましょう。
アッパーアームに掘られているくぼみにドライバーをあてがうと真っすぐ穴に差し込むことができます。この状態でターンバックルをドライバーの先端に取り付け、セラミックグリスを塗ります。セラミックグリスを塗ることで取り付けを楽にしますので忘れないようにしましょう。そのままターンバックルを押し込むようにしながらドライバーを指定方向に回すことでアッパーアームの中にターンバックルを取り付けることができます。その後、アッパーウィッシュボーンボールキャップを先ほどご紹介したターンバックルレンチでねじ込むよう取り付けます。
ねじ込んでいって、説明書指定の長さになればOKです。反対側も同じように作業します。
左右のアッパーアームのボールキャップが取り付け終えたら、サスペンションピボッドプッシングを取り付けます。
ここはロアアームと同様に片方をひっかるようにして円に沿うように取り付けるとスムーズに取り付けが行えます。左右同じよう作業します。
フロント側が完成したらリア側も同じように作業を進めます。前後アームはドライバーをあてるくぼみの位置が違うので間違えないようにしましょう。
続いてフロントナックルとサスペンションの組み上げのセクションなのですが、ここで後から公開された説明書がありますのでご紹介しておきます。
追加で公開された説明書の差異としては、セロユニバーサルスイングシャフトを一度分解し再組立てを行うよう案内されています。この際にセットスクリューにネジロック剤を使用するよう案内されています。加えて細かいところですが、付属の説明書ではターンバックルの組み上げ長さの基準がボールエンドの端と端の長さが提示されていますが、追加の説明書では全長が指定されています。この後の作業レポートでは付属の説明書にて案内しておりますが、この全長になるように調整を行っております。また、セロユニバーサルスイングシャフトについても一度分解し再組立てを行っております。構造はシンプルですので追加説明書の上記画像を参考に事前に行っていただくとよいでしょう。なお、追加の説明書については以下サイトからダウンロード可能です。
ナックルが樹脂製なので、ねじ込むときに真っすぐねじ込むように気を付ける以外は難しいところはありません。
左右組み立てます。
先ほどご案内したターンバックルの組み立てです。付属のターンバックルレンチを使い、シャフトをペンチで掴みながらねじ込むのですが、ここでは布なのを挟んで掴むとよいでしょう。説明書のとおりに見て、左右のボールエンドは手前から奥側に回してねじ込んでいきます。付属のターンバックルレンチはコンパクトで使いやすいのでゆっくり作業しましょう。付属の説明書ではボールエンド間が24.5mmと指定されていますが、別途公開の説明書では全長65.1mmになるよう指示されていますので、寸法をよく確認して作業を進めましょう。2本組み立てます。
続いてボディシールドアッパーを組み立てます。これも難しいところはないですが、すべて樹脂なので締めすぎに注意しましょう。隙間を3mmにします。これも左右組み立てます。
ボディシールドアッパーが完成したら、先ほど組み立てたナックルに取り付けます。続いてベアリングやボールスタッドも取り付けます。
ベアリングなどもすべて取り付けたら、再組立てを行ったユニバーサルスイングシャフトを取り付けるのですが、ユニバーサルスイングシャフトを通した後、アフターシャフトハブを取り付け、小さなOリングで止めるというのがCEROシリーズ共通の作業となっています。ちょっと無理をするとOリングが切れてしまうこともあるのでゆっくりと作業しましょう。これも同じように作業を進めます。
左右のフロントナックルが完成しました。
フロントアッパーアームをシャーシに取り付けます。ここでもCEROシリーズの特長であるピボッドサスペンションですので押し込むように取り付けます。スムーズに動くことを確認しましょう。
アッパーアームの取り付けに続き、左右のアップライトを取り付けます。ドライブシャフトをカップのくぼみと合わせて差し込み上下のアームを挟み込むようにアップライトを取り付けます。向きをよく確認して取り付けましょう。
最後にステアリングロッドを取り付ければ、フロントは完成です。
リアも同じように作業していきます。これがパーツバッグ5最後のセクションです。リア用のターンバックルを完成させ、アップライトの組み立てを行います。フロント型と形状は同じですがステアリング機能はなく、トーコントロール用のボールスタッドだけを取り付けます。注意点も同様です。
リア側も取り付け完了しました。アッパーアームからアップライトを取り付け、最後にトーコントロール用のロッドを取り付けます。これでパーツバッグ5は完了です。
パーツバッグ5まで作業が完了した状態です。シャーシはほぼ完成です。あとはダンパーの組み立てとメカ積みなどになります。
このパーツバッグ5ではCEROシリーズの特長であるピボッドサスペンションを完成させるパートでした。一旦組みあがった際に前後のサスペンションが軽い力で上下動するか必ず確認しましょう。ここで前後サスペンションの動きが渋いと走行性能に大きく影響します。なお、主要パーツが樹脂製ということもあり、ここまで組みあがった印象はハイエンドモデルであるCERO Ultraと細部の印象は異なりますが、設計が同じであるだけに当たり前ですがほんとにそっくりなことに改めて驚くばかりです。
今回はCERO SPORTの組み立てレポート・パーツバッグ5パートをお届けいたしました。今回は前後のサスペンションを組み立てていきました。最後にお伝えしたとおりアルミとカーボンの塊であるハイエンドモデルのCERO Ultraよりも細部が樹脂になることで随分と見た目の印象はことなりますが、やはり基本設計がほぼ同一ということもあり最新の本格競技ツーリングカーの雰囲気がしっかり伝わってきます。
ちなみにこのレポートを進めている間にセカンドロットとしてベルト長5:5のモデルが出荷されることが発表されましたが、それと同時に若干の値上げも発表されました。それでも十分に低価格なキットであることに変わりはなくハイエンドモデルと設計を同一とする、いままでにないミドルクラスツーリングカーとしての魅力は変わりません。
次回はパーツバッグ6パートを進めてまいります。このパーツバッグ6でダンパーの組み立てが終わると最後パーツバッグ7・8はメカ積みから完成へと一気に進みます。CEROシリーズはパーツバッグ毎の作業が比較的少なくなっているので、あまりまとめて時間が取れない方でも少しづつ組み立てを進められるのも特徴です。次回もどうぞお楽しみに!!
(レポート:RD2 magazine編集部 C.E Shinji Katagiri)