【連載】RD2 magazine編集部がメーカーさんに聞いてみた・第二回「ヨコモ ルーキーオフロード RO 1.0」

【連載】RD2 magazine編集部がメーカーさんに聞いてみた・第二回「ヨコモ ルーキーオフロード RO 1.0」

Interviewing and writing : C.E Shinji Katagir

 

RD2 magazine編集部がメーカーさんに直接質問を投げかける

「RD2 magazine編集部がメーカーさんに聞いてみた」

注目の新製品についてメーカー担当者に直接、ウェブサイトの商品説明よりも深堀した内容をRD2 magazine編集部が聞いていきます!

第二回は株式会社ヨコモより発売される
「ルーキーオフロード RO 1.0」について、
株式会社ヨコモ 開発課 若杉幸男氏にお伺いいたしました。

ヨコモ ルーキーオフロード RO1.0

29,175(税込)※11%OFF※送料無料

https://warehousestore-rd2.stores.jp/items/644248f5029af1002c15ad9e


競技向けハイエンドオフロードバギーを途切れることなく送り出してきたヨコモから、入門者向けのオフロードバギーが発売されるとホビーショーでその存在が明言されて以降、多くのユーザーがどんなマシンになるのか?と注目を集めてきました。

今回、ついにそのマシンの全貌について発売前にお伺いする機会をいただき、製品企画のスタートから製品の特長やセッティングについてなど、RD2 magazine編集部が色々と聞いてみました!

今回お話を伺ったのは?:

株式会社ヨコモ 開発課 若杉幸男氏

株式会社ヨコモ

https://teamyokomo.com/


RD2 magazine編集部がメーカーさんに聞いてみた!

第二回「ヨコモ ルーキーオフロード RO 1.0」

今回は注目の新製品「ルーキーオフロード RO 1.0」について色々とお伺いできればと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

株式会社ヨコモ 開発課 若杉です。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、早速ですが今回発売される「ルーキーオフロード RO 1.0」ですが、ハイエンドモデルを主力としてきたヨコモがあえて入門者向けモデルを企画したのはどういう経緯だったのでしょうか?

おっしゃる通りヨコモとしては競技用のハイエンドバギーをラインナップしてまいりましたが、他カテゴリーのユーザーの方がバギーに興味を持たれても、「ヨコモのバギーは高いよね」というお話がよく聞かれました。もちろん価格に見合った高いクオリティーの製品ではあるのですが、バギーに初めて興味を持った方に入手しやすくサーキット以外でも気軽に楽しめるマシンが必要ではないか?というところからこの製品の企画はスタートいたしました。実は今後発売予定のRTR(完成品即走行可能モデル)モデルが先行して開発されていたんですよ。

なぜRTRモデルが先行して開発されていたのでしょうか?

初めてラジコンカーを手にされる方にとってはメカを用意したり、組み立てをするというのはそれだけでハードルとなるものですから、より気軽にラジコンカーの世界を体験していただこう!ということでRTRモデルの開発を開始しました。また、サーキットではなく土の広場や私有地などで気軽に楽しんでいだくことを想定して、専用のESCとモーターをこのモデル用に開発しています。

RTRモデル用のモーターやESC、そして付属のプロポはどのようなものなのでしょうか?

付属のプロポはヨコモのRTRモデルでお馴染みのタイプとなります。モーターはセンサーレスのブラシレスモーターでして、それに合わせた専用のESCを搭載します。あくまで初めてのラジコンカーを楽しんでいただくためのものであり、もちろん取り外しが可能で、競技用のメカに積み替えることが可能です。

RTRのメカ類についてはよくわかりました。ちなみに主役となる車両部分は完全な新設計なのでしょうか?

モーターレイアウトやサスペンション、駆動系の設計は上位モデルであるSO 1.0と同一にはなっていますが、樹脂製のシャーシは完全な新設計となっていますし、このモデル用の樹脂製ダンパーも新設計になっていますし、スリッパ-クラッチも標準装備しております。なお、シャーシが新設計ということで、各部の取り付け位置は上位モデルのSO 1.0とは異なりますが、SO 1.0用のアップグレードパーツの多くが使用できるように設計されていますので、パーツを交換していけばSO 1.0とほぼ同等になるようになっています。一般の分類で言うところのミドルクラスと言ってもいい性能をもったマシンですね。バッテリーはショートタイプのLi-Poバッテリーのみ搭載可能です。

つまり、オプションパーツを満載にすればSO 1.0相当になるということで間違いないでしょうか?

おっしゃるとおりです。やはりヨコモといえば競技というイメージをお持ちのユーザーの方が多いのは事実ですし、我々もやはりヨコモといえば競技という自負もあります。ですので、入門用モデルとはいえステップアップしようとユーザーが考えたときに、上位モデルに買い替えるということではなく、パーツを交換して上位モデルに近づいていけるというコンセプトを採用しました。ちなみに、開発を進める中で、RTRではなくキットへのユーザーの方の期待が高いことが分かりまして、キットを先行で発売することになりました。

ちなみに開発経緯のお話の中で、ラジコン未経験者にとっては組み立てが難しいと考える方が多いので、RTRモデルの開発からスタートされたと伺いましたが、キットについてはどうしても組み立てが必要になるのですが、なにか工夫はされたのでしょうか?

今回のキットについては組み立て難しいとされる、ダンパーやサスペンション関連のアッパーアームやタイロッドといった部品を組み立て済みで出荷いたします。
また、ヨコモのキットは説明書の進行とパーツバッグが完全に連動するように配慮されていますので、初めての方でも戸惑うことが少ないと考えております。
ビス類もサイズ別に封入する形になっておりますし、説明書には原寸大のイラストも掲載しております。このあたりは過去のノウハウが活かされたところですね。

入門者にもとても配慮されていることがよくわかりました。ちなみに標準で装着されるタイヤはどのような場所を走行するのに適したタイヤなのでしょうか?

これも最初に申し上げたとおり、サーキットではない場所、主に土路面の走行を想定したタイヤを標準で搭載しております。サーキット走行をされたいということですと、サーキットの路面に合わせたタイヤに変更いただく必要がありますが、競技用のタイヤを取り付けられるように設計されていますのでご安心ください。

ちなみに、サーキット走行の際にはタイヤ以外でなにか変更したほうがよい部分はありますでしょうか?パーツであったりセッティングであったり。

これは長らくオフロードバギーを開発してきた経験からでもあるのですが、キット標準のセッティングというのは、長らくオフロードバギーで様々試されてきたトライ&エラーの末にたどり着いたものであり、正直サスペンション関連のセッティングを大きく変更する必要はないと考えています。説明書通りで問題ありません。ただ、唯一説明書で数値を指定していない車高については路面に合わせて調整いただく必要があります。それに連動してキット標準のスプリングは土路面を走行することを想定したものですので、これも走行するサーキットに合わせたものをチョイスいただくとよいでしょう。タイヤを路面にあったものを選択し、車高とスプリング、あえて言えばダンパーオイルを調整するだけでどんな場所でも快適に走行できるポテンシャルを持った車になります。

タイヤと車高、ダンパーやスプリングの調整だけをまずはやってみる。このお話は入門者にはとてもわかりやすいですね。

とはいえ、初めての方には難しい部分でもありますので、訪れたサーキットで気軽に相談されるとよいでしょう。いろいろ教えてもらえますよ。

まずは聞いてみるのがよいということですね。ちなみに先ほどこの製品にオプションパーツを満載すると上位モデルであるSO 1.0相当になるというお話でしたが、オプションパーツはどのように搭載していくのがよいとお考えでしょうか?

非常にわかりやすいのは走行していくと破損する部品が必ずでてきます。その部品を交換する際に、元のパーツではなくアップグレードパーツに変えてみるというのを最初はおすすめします。なお、パーツ交換というのは1度に1つにすることが原則だと考えていただくのがよいです。理由としてはパーツを交換するとなにかしら車の動きは変わります。それが好みかどうかはユーザーの方によって異なるものでして、場合によっては元のパーツに戻すほうがよい場合もあるでしょう。これが複数のパーツを一度に交換してしまった場合、何が原因で動きが変わったのかがとても分かりにくくなります。もちろんドレスアップ目的ということでしたら一度にたくさん交換するのもよいでしょうが、走りを変えたいという場合は1回につき1つのパーツの交換をお勧めしています。

なるほど。とてもわかりやすいですね。1つの変更が1つの変化になるということですね。自分好みの車に仕上げていく楽しみもゆっくり楽しむのがいいとも言えますね。次にボディデザインについてお伺いしたいのですが、今回のボディはどのようなコンセプトで設計されたのでしょうか?

これも様々議論があったのですが、やはり競技のヨコモらしい、最新の競技バギーのデザインモチーフをこのモデルにも採用いたしました。クラシックなショートキャビン・ロングノーズなスタイルも魅力なのですが、ここは空力性能を追求したものをこのモデルのためにデザインいたしました。RTRモデルは塗装済みでの出荷となる予定です。

ボディにもマシンコンセプトが色濃く反映されているのですね!ここまで色々とお伺いしてまいりましたが、最後にこのモデルに興味をもたれている読者の皆様にメッセージをお願い致します。

世界のレースシーンでの豊富な経験を持つヨコモが送り出す入門用オフロードバギールーキーオフロード RO 1.0ですが、初めてラジコンカーに興味を持った方からベテランの方までどんなレベルの方にも満足いただける製品になっています。上位モデルであるSO 1.0のオプションパーツも使用できますし、操作技術の向上に伴ってマシンも成長させることができるように設計しております。オフロードバギーも長らくレース活動を通して試行錯誤を繰り返しており、すでに完成の域に達していると感じておりまして、このモデルはある意味でヨコモの経験やノウハウが詰め込まれたものとも言えます。手に取って走らせていただければこの製品の凄さはすぐに感じていただけるというほどの自信作でございます。可能な限り手に取っていただきやすい価格も実現いたしましたので、ぜひ手に取ってみてください。

リーズナブルで本格的な性能を持ち合わせ、更に上位モデルのアップグレードパーツも使用できるのでマシン自体も成長できるという、いままでにない入門用オフロードバギーですね。発売がとても楽しみです!本日はありがとうございました!

編集後記

今回は株式会社ヨコモ 若杉氏に新製品「ルーキーオフロード RO 1.0」について、開発の経緯や製品の特長、アップグレードパーツやセッティングについてなど幅広く聞いてみました。

実は取材時には販売価格が調整中と伺っていたのですが、最終的にキットが3万円を切る価格と発表されたことはヨコモのこのモデルへの本気を感じるところです。組み立てが難しい部分を組み立て済みにされていたり、組み立てに際しても様々な工夫を凝らしておられるところもこのモデルが本当の入門の方にも安心してお勧めできるモデルであると言える理由ですね。

なお、試作最終の実走可能なモデルを見せていただいたのですが、実際に目にするとこれが入門用なのか?と驚くほどのクオリティーが実現されていますし、採用されている樹脂についても最新の技術で実現したものをいくつも試した上で選定を行われたとのことで、強度も耐久性も問題ないですよ!とのことでした。

更に上位モデルであるSO 1.0のオプションパーツがほぼ使えるという点は見逃せません。キットのままも十分楽しむことができる上に、パーツ交換でSO 1.0相当までアップグレードできるというのは過去のオフロードバギーではなかったのではないでしょうか?購入者の成長や技量に合わせてマシンも成長させるというコンセプトは素晴らしいの一言です。

競技オフロードバギーの入門モデルとしては間違いなく、ファームチョイスになるモデルとして登場するルーキーオフロード RO 1.0の発売が待ち遠しいばかりです。RD2 magazineでは組み立てレポートなども予定しておりますので、どうぞご期待ください!


R/C(ラジコン)のご購入はRD2 magazineオフィシャルオンラインショップにて!

https://warehousestore-rd2.stores.jp/

RD2 編集部のアバター