R/Cからミニ四駆、プラモデルやクラフト関連まで、日本が誇るホビーメーカーである
タミヤブースにてお話を伺いました。
まずはスケールモデルの展示からです。
タミヤのスケールモデルのクオリティの高さはいうまでもありません。
戦車やバイク、飛行機からスポーツカーまで。
幅広い展示となっており、多く方が立ち寄っていました。
こちらも人気の工作キットシリーズから最新モデルの
ラバーバンドパワードトラックが展示されておりました。
このシリーズ、構造の勉強にも最適ですし、
なにより色々と工夫をすることで色々な楽しみができるのも大きな魅力です。
こちらは女性に人気のデコレーションシリーズの展示です。
工夫次第で様々なものが作れるのが魅力ですが、
デモンストレーションブースも用意されており、
手順なども紹介されておりました。
登場から40周年にして、ここ数年再度ブームの兆しが見えている、
ミニ四駆の展示です。
40年の歴史年表や懐かしいマシンの数々が展示されていました。
また、コラボレーション商品や新型のレーザーミニ四駆、最新パーツも。
更に、ほぼ完成品で簡単に楽しめる
「ビギナーズミニ四駆シリーズ」も展示されていました。
大人から子供まで、年齢や性別問わず支持されるミニ四駆ブースにも、
多くの人が訪れていました。
完成品であるXBシリーズを中心に、入門者向けのTT-02などが展示されていました。
復刻でありながら新デザインを纏って登場した
「ワイルドワンオフローダー ブロックヘッドモータース」のXBバージョンは
かなり目をひく展示となっておりました。
また、豊富なボディが同梱されるTT-02も人気のロードゴーイングカー「マクラーレン セナ」
やau TOMS GRスープラなど注目のボディがいくつも展示されておりました。
ちなみに戦車タイプのRCも展示されており、実際に操作してみましたが、
多くのアクションを搭載していたり、キャタピラーが作りこまれたものになっていたり、
アクションRCとして楽しめる1台でした。
タミヤGPツーリングカーの2022年バージョンや
更についに登場するイグレスのブラックエディションが注目を集めておりました。
既存のTA08PROやXV02PROも展示されておりました。
最後に今回のホビーショーでの目玉ともいうべき、
新型ハイエンド・シャフトドライブツーリングカー「TB EVO.8」について
担当の方にお話を伺いました。
まずはなぜ今のタイミングで、シャフトドライブでの
ハイエンドオンロードツーリングカーを発売するのか?という点ですが、
タミヤといえばシャフトドライブと言われるぐらいに長い歴史があり、
タミヤのシャフトドライブマシンを愛してくださるユーザーが多くいる中で、
シャフトドライブの系譜を途絶えさせないよう、
常に新しいモデルの企画はされてきたとのこと。
そんな中で、やっと完成したのが TB EVO.8であり、
2022年時点で考えうる最高のシャフトドライブ車になっているとのこと。
大きな変更点としては前後サスアームがTA08で採用された、
昨今流行となりつつあるAアームが採用されていることです。
もちろんただTA08のまま採用したというわけでなく、
TA08では分離型であったフランジパイプとキングピン、
樹脂製シムを一体化したものを採用し、耐久性と可動性を改善。
なお、このパーツはTA08でも利用することでできるので、
樹脂シムの破損や紛失で悩んでいる方にはぜひ使ってみてほしいとのことでした。
そして、リア側もTA08と同様の形式となり、
タイロッドによるトー角調整が可能となっており、
取り付け部もギアケースに直接取り付けられる形式になっている。
次に、シャフトドライブの機構自体は大きな変更がないのですか?
と伺ったところ、TB Evoシリーズを作ってくる中で、
シャフトドライブの黄金のギア比であったり、
効率のよい構造というのは答えがでている状況であり、
あえて変更をしなかったとのこと。
なお、ギアケースカバーが、透明のポリカーボネート製になっている
理由もお伺いしたところ、タミヤとしては各種ギアカバーは必ず使ってほしい、
と考えて設計されているそうですが、一部のユーザーが重量を理由に、
装着されていないという場面がよく見かけられ、
どうにかカバーを使ってほしいと考え末に、
軽くて柔軟性の高い、ポリカーボネート製のものを採用したとのこと。
ちなみにこのギアカバーに限らず、グリスの使用などについても
説明書で使用することを指定している理由も重ねて伺ったところ、
タミヤとしてはグリスも塗布し、各種カバーを付けた状態で開発をしており、
目標とする性能をその状態で発揮するよう取り組んでいるとのこと。
では、なぜそのような姿勢で開発されているのか?を伺ったところ、
すべてのユーザーが頻繁なメンテナンスを行える環境になるとは考えておらず、
あまりメンテナンスをしない状態であっても、
なるべく長い期間、開発時に想定した性能を維持できるよう考慮している為とのこと。
この点は先に発売されたミドルクラスオフロードバギー
「TDシリーズ」のボールデフの組み立てにおいても、
ボールデフのスプリングをあえて先に潰して、
少しでもよい状態を長く保てるようにという配慮によるものであり、
短時間の使用でよいというのであれば、
開発の想定を超えた性能を引き出すことは可能かもしれないが、
先にあったとおり、全てのユーザーが頻繫にメンテナンスをしたり、
頻繫に走行できるわけではないので、
手間がかからず、あるレベルの性能を維持できることを
大切にされているとのことでした。
続いて、ここのところのタミヤの説明書がとても細かなところまで
説明されている点を伺ったところ、
以前であれば「このぐらいはユーザーがわかってますよね?」という前提で、
説明書を作っていたが、いつのことからか説明書を見ても作り方がわからない!
という問い合わせが増えるようになったそうで、
このままではいけない!とできるだけ実際の組み立てに合わせた図にしたり、
より細かに説明するといった取り組みを進めており、
復刻モデルについてはその限りではないが、
最近のモデルについては上記のような点を非常に考慮されているとのことでした。
そして、販売されているキット標準状態についてもお伺いしたところ、
まずタミヤのキットは各モデルに想定されるユーザー像があり、
入門者、中級者、上級者という各レベルのユーザーの、
想定される組み立てレベルや、操縦レベルを設定されており、
そのユーザーの想定されるレベルで基準になるものを、
キット状態で実現するように開発をされており、
まずはキットをそのまま組み立てもらい、
そのモデルの性格やクセなど基準となるものを
確認してほしいとおしゃっておりました。
実際、RD2 magazine編集部でもレビューの為にキットを
そのまま組み立てテストをいたしますが、
タミヤ製品はキット素組みであってもとても軽快に走りますし、
キットの個性を感じられます。
ですので、キット標準状態を確認し、基準となる状態を知った上で、
壊れてしまったり、どうしても気になるところがあれば、
1つずつ交換することもオススメされておりました。
理由としては、一度に複数変更してしまうと、
なにが良く、なにが悪いのか?が分からなくなってしまうため、
特にレースユーザーの方であれば、1つ変更したら、
走行で確認するというような取り組みをしてみては?とのことでした。
これはラジコンに限らず改善活動では基本となる取り組み方だけに、
編集部としても共感するところでした。
もちろんドレスアップしたい方や、
たくさんのパーツでかっこよく仕上げたいという方には、
どんどんパーツを購入いただければともおしゃっておりました。
最後にここのところのタミヤは
とても品質が高い製品が多いように感じているが、
なにか具体的に改善をされているのか?とお伺いしたところ、
タミヤとしては既成品で性能が出ばよいという形でなく、
独自品になっていいので、ほんの少しでも性能が高められないか?
という姿勢で開発されているとのこと。
最近でいえば、ラバーシールベアリングや、
ダンパーOリングなどは詳細は企業秘密だが、
他社とは違うアプローチで性能を高める工夫をしておられるとのことでした。
かなり長時間にわたりお話をお伺いすることができたのですが、
ここ数年のタミヤキットの品質の高さや、
キット標準状態の走行性能の素晴らしの理由を垣間見ることができました。
今後発売される新商品にも自然と期待をしてしまいます。
日本のホビーを支えている会社といっても過言ではないタミヤブースには、
いつもながらに多くのワクワクが詰まっておりました。
(取材:RD2 magazine編集部 C.E 片桐紳史)